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2017年8月13日 (日)

熊楠と神仏霊場紀行

連休中日は18切符で紀州路へ。京橋から環状線、阪和線、紀勢本線を乗り継ぎ
片道約3時間半で紀伊田辺にとうちゃこです。
 
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駅前に立つのは弁慶像。弁慶は熊野別当湛増の次男と言われ、田辺は弁慶の出身
地ださうな。ただこれはあくまでも伝承で本当かどうかはわかりませんが、田辺の
街中弁慶だらけ。弁慶愛はただもんやないですね。
 
朝一、出たけど既にお昼前。ということでまずは腹支度。駅近くの宝来寿司さんで
さんま寿司定食をいただきました。
 
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さんま寿司大好きなんでね~。
見た目は腹開きの紀北風ですが、中に辛子は入ってません。では味は柚子酢でしめた
紀南風かといえばさういうわけでもない。純粋なさんまの押し寿司と言った感じですね。
けどこちらはこちらで美味しかったですね。 
 
お腹がくちくなったところで、蟻通神社をお参りし、歩くこと5分ちょいで南方熊楠顕彰館
にとうちゃこ。
 
熊楠は慶応3(1867)年和歌山市に誕生。大学予備門を中退後、アメリカ、イギリスへ
渡り、明治28(1892)年には大英博物館で学んださう。イギリスから帰国してからは和
歌山に戻り、大正5(1916)年には顕彰館横にある屋敷に住み、以後粘菌などの研究
に没頭したほか自然保護の観点から神社の合祀にも心血を注ぐなど幅広く活躍し
たさうです。
 
顕彰館には熊楠の生涯を紹介。こちらはロハゆえんかパネル展示が中心で、
それ以外に大して見るものがなかったのがちょっと残念。
 
隣には熊楠が暮らした母屋、書斎、土蔵などが現存。また400坪の敷地には熊楠が
研究材料とした自慢の楠木のほか、センダン、柿など多数の植物が生い茂っていま
した。こちらは書斎。
 
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熊楠の性格を表しているのか研究室は実に散らかってますね。係の人に聞くと
熊楠は大学にも籍を置かず、自由奔放に研究。『ネイチャー』に51本の論文を
投稿するなど世界的にはその成果は認められますが、後身の指導には力を入
れなかったため、熊楠の研究は途絶えたようです。
 
現在、資料はこちらと白浜の記念館、また筑波ににも保管されているさう。
熊楠の名前は知ってましたが、詳しことはよく知らなかったため、今回の訪問は
実に勉強になり良かったですね。こんどは白浜の記念館も見に行きたいな。
 
さて顕彰館の記念を終え、次は神仏霊場へ。第5番闘鶏神社です。
 
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こちらは419年、熊野本宮を勧請したことに起源を持ち、さらに後白河院の時代に
三所権現を改めて勧請、更には近衛院が別当湛快の時に天照大神以下十一神を
勧請し今熊野権現と称されたさう。
 
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闘鶏神社という名前は明治になってからのもので、源平合戦の際にどちらにつくか
考えあぐねた別当湛増が神前で赤と白の鶏を戦わせたところ、赤鶏が戦わずして
逃げたので、白旗を軍旗とする源氏につき勝利を納めた故事にちなむさう。因みに
熊野別当とは熊野三山を統括する役職とのこと。昔は熊野水軍も率いたさうです。
 
拝殿の後ろには本殿の伊佐那美命ほか多数の神々が祀られていました。因みに
熊楠の奥さん松枝の父はこの神社に勤めていた神官だったさうです。
 
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他にも田辺城址の水門など見たかったんですが、残念ながら時間切れ。駅に
戻ります。
 
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ホームには113系が停車。ぱっとみぃ103系ですがこちらは正真正銘の113系。
中間車のモハを改造したものでワンマン対応もされています。
内部は懐かしのボックスシートでした。
 
さて113系に乗り、道成寺駅で下車。その名の通り安珍清姫で有名な道成寺の
最寄駅。けふ2つ目の目的地は神仏第6番霊場天音山道成寺です。
 
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道成寺は文武天皇の后宮子の発願により大宝元(701)年に建立された和歌山県最
古の寺。階段を登り、重文の仁王門をくぐると正面には巨大な本堂が。
 
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こちらは南北朝から室町期の建立で重文。桁行7間の巨大な建築。右手には
江戸期の三重塔も。こちらは和歌山県唯一のものださう。
 
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塔の一層目と二層目の垂木は並行ですが、三層目は扇形になっている不思議な
様式。
 
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また塔の横には鐘楼跡も。
 
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道成寺の初代の鐘は安珍清姫の事件で焼失、また二代目の鐘は戦国時代紀州
征伐に成功した秀吉が戦利品として持ち帰ったさう。だから現在も鐘はないさう
です。
 
さて本堂のお参りし、境内見学を終えると受付へ。いよいよこちらの名物絵解き
説法の見学です。
 
受付拝観600円を払い、まずは収蔵庫を拝観。本尊の十一面観世音菩薩、脇侍
の日光月光菩薩はなんと国宝。その他にもお毘沙門天立像や四天王立像など重
文級のお宝がざっくざっく。さすがは歴史のあるお寺ですね。こちらも住職が
ウイットを交えながら解説付で非常に分かりやすい。
 
収蔵庫の見学を終えるといよいよ道成寺縁起絵巻の絵解き説法がはじまりはじま
り~。もともと絵解きはいろいろなお寺でもやっていたさうですが、現在まで続いて
いるのはこちらだけださう。
 
住職が絵巻のコピーを使い、安珍清姫の話を観客を交えながら面白おかしくお話
されていました。説法があった縁起堂には歌舞伎座で実際に使われていた娘道成
寺の模造の鐘や衣装、または玉三郎など役者の写真など多数の資料が展示され
ていました。歌舞伎好きはたまらないかも。
 
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時間を忘れて絵解きを見ていたため、電車の時間を失念。懸命に走るも目の前で
無情にも御坊行きの列車は発車(T_T)。偶然、目の前に御坊行きのバスが停車して
おり、こちらで御坊まで行き、再び紀勢本線に乗車し、紀州路をあとにしました。
 
京橋-紀伊田辺が片道3020円なんでもとは十分とりましたが、滞在時間が
少なくゆっくり見れなかったのは残念。
まあこのあたりが18切符の限界でせうが、熊楠から弁慶、安珍清姫まで紀州ゆかりの
方々をお勉強でき、有意義な一日となりました~。
 

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